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Claude Codeを使って提案書や報告書、プレゼン資料を作りたいと考える人は増えているが、実際に何をどう指示すればよいのかは分かりにくい。この記事では、方式の選び方から指示文の設計、社内データの扱い、型を作った後の運用まで、実際に手を動かす順番に沿って整理する。
Claude Codeで資料作成をするとは、具体的に何をすることなのか?
Claude Codeで資料作成をするとは、構成を考える段階から本文を生成する段階、そしてスライドや文書としての体裁を整える段階までを、AIへの指示を通じて一気に進めることを指す。
この3段階を最初に分けて考えておくと、途中でつまずいたときにどの段階の問題かを切り分けやすくなる。構成づくりでうまくいかないのか、本文の内容が的外れなのか、それとも体裁の調整で止まっているのかは、それぞれ対処法が違う。
注意しておきたいのは、Claude Code単体ではPowerPointやGoogleスライドの形式を直接出力しない点だ。実際にはMarkdownやHTMLとして生成した内容を、あとで変換する工程を挟むことになる。この変換方式についてはH2-3で扱う。
Claude Codeの基本操作を一通り押さえたい場合はClaude Codeの使い方ガイドを先に確認しておくと、この記事の内容がつながりやすくなる。
どんな資料に向いていて、どんな資料には向いていないのか?
Claude Codeは構成が定型化しやすい資料の初稿づくりに向き、デザイン性の高い最終稿や機密性の高い交渉資料をそのまま任せる用途には向かない。
向いている例としては、月次報告書の初稿、社内向け提案書のたたき台、プレゼンスライドの骨子案などが挙げられる。これらは項目立てがある程度パターン化されており、AIが叩き台を用意しやすい。
向いていない例は、デザインの完成度が評価に直結する対外向け資料の最終稿や、社外の相手との交渉に関わる機密性の高い資料を丸ごと生成させる使い方だ。この場合はAIが仕上げまで担うのではなく、人が最終判断する部分を残しておく必要がある。
ここで役立つのが「初稿を作る」と「仕上げる」を分けて考える視点だ。Claude Codeに任せるのは初稿づくりまでとし、仕上げは人が行うと決めておくと、向き不向きの判断がしやすくなる。この分担を前提に、次の節では生成方式の選び方を見ていく。
スライド生成の方式は何を基準に選べばいいのか?(Marp / HTML+CSS / PDF変換の使い分け)
この節では「どの技術方式を選ぶか」に絞って扱う。指示文の書き方はH2-4で扱う。
スライド生成の方式は、セットアップの手間・デザインの自由度・最終的な配布形式という3つの軸で比較すると選びやすい。以下の表に、代表的な3方式をまとめた。
| 方式 | セットアップの手間 | デザインの自由度 | 最終的な配布形式 |
|---|---|---|---|
| Marp(Markdownからスライドを生成するツール) | 低い。エディタの拡張機能などですぐ試せる | Markdown記法の範囲に収まる。テーマでの調整は可能 | PDF・PPTX・HTMLへの書き出しに対応 |
| HTML+CSS | 中程度。CSSの知識が必要になる | 高い。レイアウトを自由に組める | HTMLをそのまま配布するか、PDFに変換する |
| PDF変換(Puppeteer/Playwright経由。ブラウザを自動操作してWebページをPDF化するツール) | やや高い。実行環境の構築が要る | HTML+CSSに準じて高い | 印刷や配布に適したPDFとして固定できる |
この3方式は「どれが優れているか」という観点で比較されがちだが、業務での使いどころを考えるなら、社内の簡易な報告書ならMarpで十分な場合が多く、デザインにこだわりたい対外資料ならHTML+CSSで作り込み、印刷や添付ファイルとしての配布が前提ならPDF変換を挟むという選び方になる。自分の資料がどの配布形式を最終的に必要としているかから逆算すると迷いにくい。
質の高い資料を作る指示文は、どう書けばいいのか?(背景情報の渡し方と指示の粒度)
技術方式を選んだら、次に指示文の設計に取りかかる。
質の高い資料を作る指示文は、相手・目的・制約・文体という背景情報を先に渡してから、扱ってほしい内容を具体的に書くことで安定する。以下は資料作成の指示に使える型の一例だ。
# 前提
- 相手: 誰が読むか(例: 経営層、既存の取引先、社内の別部署)
- 目的: この資料で何を伝え、相手に何を決めてもらいたいか
- 制約: ページ数や納期、使ってはいけない表現があれば書く
- 文体: です・ます調か、である調か。専門用語をどこまで使うか
# 依頼内容
上記を踏まえて、〇〇についての提案書の構成案を作成してください。
まず見出し構成だけを提示し、私が確認したあと本文を書き進めてください。
背景情報を渡す重要性は、実際の支援事例からも裏づけられる。複数店舗を経営する非エンジニアの経営者への支援では、最も印象に残ったのは高度な技法ではなく指示の基礎だったという声があった。具体的には「大雑把な指示では通らない」「画像は画像だけで送る」という2点で、支援を受けるまでは「AIが何でもしてくれる」という認識だったという。この認識のずれを先に矯正しておくことが、遠回りに見えて結果的に近道になる。
繰り返し使う指示のパターンができてきたら、毎回書き直すのではなく型として保存しておくと効率が上がる。この型化の具体的な方法はCLAUDE.mdの書き方ガイドで扱っている。
実際にどこまで時短できるのか?ひとつの実例から見る変化とその限界
Claude Codeの使い方の型を作ったことで、複数店舗を経営するある美容サロンの経営者は、それまで着手できず放置していた資料のリニューアルに取りかかれるようになった。本人の言葉を借りると「何十時間かかるのが1時間でできた」という変化があったという。
この経営者はもともと非エンジニアで、支援を受ける前はClaude CodeとChatGPTの違いも分からず、流行っているから使うという状態だった。そこから型を作ったことで、これまで手をつけられずにいた作業に着手できるようになった点が、ひとつの実例として参考になる。
ここから先の説明とH2-8で触れる事例は、いずれも同じ支援先の経営者によるものだ。複数のクライアントで同様の結果が出ているという意味ではなく、ひとつの継続的な支援における変化として読んでほしい。
限界として押さえておきたいのは、この時短は型を作った「後」の話であるという点だ。型を作るまでの試行錯誤、つまりどんな指示が通ってどんな指示が通らないかを確認する工程は省略できない。H2-4で紹介した指示文の型は、この試行錯誤を短縮するための出発点として使ってほしい。
非エンジニアが資料作成でClaude Codeを使うとき、最初にどこでつまずくのか?
非エンジニアが最初につまずきやすいのは、資料の内容そのものよりも、ターミナルの操作やファイルの置き場所といった環境面にある。
具体的には、ターミナル(コマンドを文字で入力してパソコンを操作する画面)の開き方が分からない、生成された資料ファイルがどこに保存されたか分からなくなる、画像ファイルの指定方法が分からないといったつまずきが起こりうる。これらは、コーディングの知識よりもパソコンのファイル操作への不慣れさが主な原因だろう。
この点については、資料作成そのものがコーディングスキルを前提としているわけではないことを補足しておきたい。企業向けのAI研修で実際に扱っている演習には、ChatGPTでカレンダーに予定を入れる、音声データからGoogleドキュメントでマニュアルを自動作成する、Excelのデータを分析してダッシュボードを自動で作るといった内容がある。いずれも業務ツールを起点にした演習であり、コーディングを前提にしていない。資料作成でつまずく箇所も、これと同じくコーディング以前の操作面にあると言える。
つまずきやすいポイントをより詳しく知りたい場合は、非エンジニアがClaude Codeでつまずくポイントで個別に整理している。
社内データをどこまでClaude Codeに渡していいのか?
社内データをどこまで渡していいかは一律には決められず、機密区分の把握・共有範囲の確認・ログの扱いという3点を先にチェックしておくことが必要になる。
資料作成の過程では、社内の数値や顧客情報、未公開の経営情報をAIに入力したくなる場面が出てくる。ここで断定的な線引きを示すことは避け、代わりに確認しておくべきチェックポイントを整理する。
- 機密区分の把握: その情報が社内規定でどの区分に分類されているか、そもそも把握できているか
- 共有範囲の確認: AIサービスに入力した内容が、どこまでの範囲で扱われる契約になっているか
- ログの扱い: 入力内容がログとして保存されるか、保存期間や削除方法はどうなっているか
これらは会社ごとの規定やAIサービスの契約形態によって答えが変わるため、記事の中で一律の正解を示すことはできない。自社の情報管理ルールと照らし合わせて確認する作業が欠かせない。ルール整備の進め方はClaude Codeの運用ルールの作り方で、法人での導入を前提にした論点は企業向けClaude Codeセキュリティガイドで扱っている。
資料作成の型を作った後、チームでどう共有・保守すればいいのか?
型を作った後は、CLAUDE.mdのような指示ファイルに指示のパターンをまとめて、チームで共有・更新していく運用に移すと、個人の効率化で終わらせずに済む。
H2-5で紹介した経営者は、教わった資料作成以外の領域にも自力で用途を広げていった。実例として、SNSの自動投稿、業界ニュースのメールを起点にした投稿案の生成、予約システムの翌日予約一覧を前日夜に店舗別へ自動送信する仕組み、外注先から届く設定手順をそのまま渡して作業を代行させる使い方などがある。H2-5と同じ経営者による継続的な変化であり、型を一度覚えると応用範囲が自走的に広がっていく様子がうかがえる。
チームで型を共有する場合は、指示のパターンを1か所にまとめておき、うまくいった指示・うまくいかなかった指示を随時更新していく運用が現実的だ。具体的なファイルの書き方はCLAUDE.mdの書き方ガイドで扱っている。なお、研修用の資料(目次のたたき台や演習例、理解度テストなど)を作りたい場合は成果物の性質が異なるため、Claude Codeで研修資料を作る方法を合わせて確認してほしい。
まとめ:今日から何をすればいいか
ここまでの流れは、方式選定(H2-3)、指示文の設計(H2-4)、そして型を作った後の運用(H2-8)という3段階に整理できる。最初の一歩として、手元にある資料を1つ選び、H2-4で紹介した指示文の型をそのまま試してみることを勧める。
教材や動画、AIそのものに聞くだけでは解決に至らなかったという声もある。H2-5・H2-8で触れた経営者は、その理由として「インプットはするが自分のアウトプットが分からなくなる」「似た事例はいくらでもあるが100%同じものはない」「AIに聞けば解決すると言われたが自分にはできなかった」を挙げている。記事を読んで理解するだけでなく、自分の資料に当てはめて実際に手を動かす工程が欠かせない。
型を自分の業務に当てはめて試したあと、指示のチューニングやチームでの運用といった壁にぶつかることもあるだろう。そうした壁を継続的に学びながら越えていきたい場合は、月額1,980円から参加できる学習コミュニティ「AI駆動ラボ」で、実際に手を動かしながら学び続けるという選択肢がある。